次期首相にグロイスマン国会議長が有力か

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左からグロイスマン議長、ヤツェニュク首相 – Wikipediaウクライナ語版より

ヤツェニュク首相の支持率が大きく落ち込み、連立政権の一部が離反の一部を見せている中、次の首相選びが本格化している。

2014年2月からウクライナの首相を務めるヤツェニュク氏は、経済運営の失敗を背景として、国民からの信頼を大きく失っている。

非政府系独立調査機関である Rating Group Ukraine により発表された2016年1月時点での世論調査によると、ヤツェニュク首相の退陣を望むウクライナ人は約70%にも上っており、またヤツェニュク首相氏率いる現在の内閣を支持する人はわずか8%にとどまっている。

国民からの信を失っている現在の内閣に対し、「急進党」のリャシュコ党首は、同党が連立政権から離脱する意向であることを示している。RBCウクライナは、もし急進党が抜けた場合、連立政権が占める国会(ヴェルホーヴナ・ラーダ)の議席数は216と、過半数割れを起こしてしまうと伝えている(総議席数は450)。

このため、各党は次の首相選びに向け本格的な議論に入った模様だ。まず最初に候補者として挙がったのは現在財務大臣を務めるナタリヤ・ヤレスィコ氏(Natalie Jaresko)である。ヤレスィコ氏はウクライナ移民の家庭に生まれたアメリカ・シカゴ近郊の町出身のアメリカ人女性である。ソ連崩壊後、ウクライナに移住し、在ウクライナ・アメリカ大使館等で主に経済関連の業務に従事したほか、民間ファンド等の代表を務めた。2014年末にこれまでの経験と実績を買われ、ウクライナ財務大臣に抜擢され、それ以降その任を務めている(その際、ポロシェンコ大統領よりウクライナ国籍を付与された)。

今月22日にヤレスィコ氏は自身のFacebookにて、首相就任の用意があることを初めて公に認めた。またその中で「数週間前、ポロシェンコ大統領とヤツェニュク首相から(現在のウクライナの経済)危機への早急な対処プランを提示するよう求められた」ことを明らかにしている。

Бувають часи, коли потрібна велика політика, щоб всією країною обговорювати фунаментальні питання її політичного майбутн…

Наталія Енн Яресько / Natalie Ann Jareskoさんの投稿 2016年3月22日

しかしながらそのわずか2日後に、今度はウクライナ国会の議長を務めるヴォロディムィール・グロイスマン氏(Volodymyr Groysman)が、もし議会の支持を受けることができるのなら、首相の任を務める用意があることを認めた。複数のウクライナメディアが、最大与党の「ポロシェンコ・ブロック」の党首が24日、グロイスマン氏を首相候補として推していることを伝えており、一躍首相候補の筆頭に挙げられた形だ。

グロイスマン氏は1978年生まれの38歳。わずか14歳で学校に通う傍らビジネス活動を初め、24歳の時に史上最年少でヴィーンヌィツャ州の州都であるヴィーンヌィツャ市議会議員に当選した。その2年後には同市の市長に選ばれ、2014年まで同ポストを務めた。この間、グロイスマン氏が行った様々な先進的な行政手腕は高く評価されており、その実績を買われた形で、2014年2月のウクライナ革命(ユーロマイダーン)後、ウクライナ副首相に任命された。その9か月後には、ウクライナ国会の議長に任命され、現在その任を務めている。

グロイスマン氏は将来的に首相に就任した場合、その内閣の大臣候補となる人物を既に何人か挙げており、組閣の準備ができていることを伺わせている。