【2017年現在】ウクライナからドネツク、ルハンスク(ルガンスク)への行き方

ドンバス地方とは?

ウクライナ東部のドネツク市、ルハンスク(ルガンスク)市が位置する地方はドンバス地方と呼ばれています。このドンバス地方は石炭で有名であり、重工業地帯として発展してきました。

ドンバス地方の人口は約400万人と、ウクライナの人口の約10%を占めています。特にその中心都市であるドネツク市は人口およそ100万人の大都市であり、経済の中心でもあります。

2014年のウクライナ東部紛争

Lugansk News Today より
2014年に発生したウクライナ東部紛争(ドンバス戦争)の結果、ドネツク州およびルハンシク州の一部(両州のおよそ40%)は現在、親ロシア派の武装勢力による占領下にあります。

武装勢力はドネツク州の支配領域を「ドネツク人民共和国」と呼称し、ルハンスク州の支配領域を「ルガンスク人民共和国」と呼んでいます。これらの領域に対し、ウクライナ政府の支配は及んでいないのが現状です。
※これら両人民共和国を合同したものはノヴォロシア連合共和国とも呼称されましたが、この「プロジェクト」は現在活動を停止している模様です。

2015年2月のミンスク合意を受け、ウクライナとこれら両人民共和国との間の大規模な戦闘は終わりましたが、現在もなお散発的に「国境」地帯にて銃撃戦が行われており、その中で日々ウクライナ兵の死傷がメディアにて伝えられています。

ドンバス地方にウクライナ側から行けるのか

結論から言うと、ウクライナ国籍でない外国人が両人民共和国の支配領域にウクライナ側から入ることは2017年1月時点ではほぼ不可能です。状況はクリミアとほぼ同じです。

参考:【2017年現在】クリミア半島へのウクライナ側からの行き方

ウクライナ内閣の法令によると、両人民共和国の支配領域にウクライナ側から入るためには、特別通行許可書が必要です。しかしながらこの許可書は、
①上記支配領域に家族または親戚がいる外国人または、②停戦監視団・人道支援関係者、③外交関係者、
のみしか事実上付与されません。

ですので、観光目的で一般の外国人がウクライナ側からドネツクおよびルハンスクには行けません。

それでもドネツクおよびルハンスクに行きたい場合

ロシア側から行くしかありません。

しかしながらクリミアのケースと違って、ロシアはドネツク・ルガンスク両人民共和国の支配領域をロシアには編入していません。

ですので、ロシアから両人民共和国の支配領域に行く際、まずはロシア側の国境検査があり、その後人民共和国側の国境検査があります。

ロシアに滞在するには日本人はビザが必要です。また人民共和国の国境検査にて「ビザの取得」を外国人は要求されるかもしれません。またその発行のための料金も請求されるかもしれません。

また、一度「ロシアを出国」するわけですから、ドンバスからロシアに戻る際、再び「ロシアに入国」する必要があるわけです。ですので、複数回入国可能なロシアのビザでないとドンバスに行って帰ってこれない可能性があります。ご注意ください。

また、ロシアの旅行会社の中にはドネツク・ルハンスクへの観光ツアーを行っている会社がある模様ですが、当サイトでは案内は控えさせていただきます。

気を付けていただきたいのは、「ウクライナ政府はドネツク人民共和国およびルガンスク人民共和国の存在を一切認めていない」ということです。公式にはこれら両共和国は「テロ組織」とされています。

また、ロシア側からこれら両共和国の支配領域に入った場合、ウクライナに入国する際の国境審査を受けていないとのことになりますので、不法入国扱いとなります。

ですので、上記の特別通行証なくドネツクまたはルハンスクに入る場合、自己責任が原則です。それを理由としてウクライナへの入国を断られる可能性もあるかと思います。

【補足】地元の人はどうやってドネツク・ルハンスクを行き来しているか

ドネツクには国際空港がありましたが、2014年の戦闘で完全に破壊されてしまいました。またルハンスクの空港も運航を停止しています。

ドネツクおよびルハンスク行きの列車は2014年中ごろまで運行していましたが、こちらも戦闘の激化に伴い停止しています。現在キエフからはドネツク州のKostiantynivka行きの№712の列車が運行しています。またキエフからルガンスク州へはLysychansk行きの№134の列車が出ています。

これら列車またはバスを使い、まずはドネツク・ルハンスク州の「国境」付近までたどり着くと、今度はウクライナ側と人民共和国側それぞれのチェックポイントが複数あります。ここを抜けるのにはかなりの時間がかかるのと、ワイロが要求されることがあるそうです。またこれら「国境」付近は現在でも散発的な戦闘が行われているため、危険も伴います。

ですのでルガンスクに住む友人がキエフにバスで来た際は、まずはルガンスクからロシアのロストフ・ナ・ドヌーに出て、そこからベルゴロドまで行き、ウクライナ側に入ったのち、ハルキウ(ハリコフ)経由でキエフまで来ました。だいたい30時間の道のりです。

またキエフからルガンスクに戻る際のバスには、行先が表示されていませんでした。運転手の方に聞くと、これはルガンスク行きと表示すると、ウクライナから出る際に国境警備の人たちに止められるからだそうです。ですので国境を超える際に国境警備の人たちに「どこに行くんだ?」と聞かれたら、バスの乗客はみな示し合わせて、「モスクワに行く」と答えるそうです。
※しかし実際はインターネットやバスの停留所で普通に「ドネツク行き」とか「ルハンスク行き」のバスの案内は出ています。あくまで国境警備の人に聞かれたらとの話です。

いかに紛争のせいで、ドネツクやルハンスクに住む人たちが、多大な労力を強いられているかがわかります。

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